摂食・嚥下機能の評価は言語聴覚士のみが行うものではなく、医師や看護師など多くのスタッフのチームアプローチによって行います。
そこで今回は、摂食・嚥下機能の評価を一覧にまとめましたので紹介させていただきます。
その他、食事形態の学会分類2013やMASAなどの評価についてもまとめました。
3大スクリーニング検査〜PDFまとめ〜
嚥下機能評価の3大スクリーニング検査と言われる
・反復唾液飲みテスト(RSST)
・改定水飲みテスト(MWST)
・フードテスト(FT)
や、FOISや嚥下グレードを一枚の用紙にまとめました。
嚥下調整食 学会分類2013
病院や施設、在宅など各医療機関だけでなく医療従事者が共通して使用できることを目的に、食事を5段階、とろみを3段階について段階分類をしています。
簡便のための早見表と解説があり、原則的に段階を形態のみで示し、量や栄養成分については設定していません。
食事の早見表には、形態、目的・特色、主食の例、必要な咀嚼力、他の分類との対応が記載されています。
MASA(The Mann Assessment of Swallowing Ability)
MASAは2002年にアメリカで開発され、臨床評価で脳卒中急性期患者の嚥下障害と誤嚥を効率よく鑑別する方法です。
日本では2014年に日本語訳が出版されています。
これまで報告されている嚥下評価の中では、認知期〜咽頭期までに焦点を当てた最も充実し優れた臨床評価法です。
嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査の様に特殊な機器を用いることなくベッドサイドでも実施することが出来ます。各項目が点数化されており合計点から「重症」「中等症」「軽症」「異常なし」を判定することが出来ます。
しかし、脳卒中急性期患者の嚥下障害患者に作成された臨床評価であるため、サルコペニア等の加齢による誤嚥性肺炎患者は対象になっていません。
また、マニュアルが詳細に書かれており、嚥下に詳しくない医療従事者にも一見実施出来そうですが、評価項目も多くやや難しい印象はあります。その為、MASAを使用している医療機関のほとんどは言語聴覚士が評価を行なっている現状です。
KTバランスチャート
KT バランスチャートでは、13項目それぞれを評価視点に基づいて1〜5 点でスコア化し、レーダーチャートを作成する。
1点:かなり不良もしくは困難
2点:不良もしくは困難
3点:やや不良もしくは困難
4点:概ね良好
5点:かなり良好
評価基準の詳細につい ては小山珠美先生が出版されている「口から食べる幸せをサポートする包括的スキル-KT バランスチャートの活 用と支援」参照としてください。本チャートは視覚的に可視化でき、どの職種でも理解しやす いため、アプローチ方法の検討、多職種間の連携、入退院先への情報提供、地域連携ツー ル、本人・ご家族への説明などの情報共有に有用です。
摂食嚥下障害の評価 2019
日本摂食嚥下リハビリテーション学会から【摂食嚥下障害の評価2019】が更新されました。
頸部や呼吸機能の評価についての説明もしてくれていますので是非そちらをご参照ください。