The Toronto Bedside Swallowing Screening Test(以下:TOR-BSST)はローズマリー・マルティーノ博士らにより2009年に発表された重症度に関係なく、脳卒中患者の嚥下障害の有無を検出する特定するための評価法です。
ローズマリー・マルティーノ博士らによる論文がこちら(The Toronto Bedside Swallowing Screening Test (TOR-BSST) Development and Validation of a Dysphagia Screening Tool for Patients With Stroke)になります。
実施方法
TOR-BSSTは発声、舌の運動、咽頭感覚といった身体所見チェックのあと5ccの水を最高10回飲んでもらう。
①発声 :5秒間、/a/を発声をさせ、声質の確認
②舌の運動挺舌(舌を前に出す)、横に動かしてもらう
③咽頭の感覚:咽頭の両壁をなで、患者自身に感覚があることを訪ねる
④水分摂取:5ccの水を最高10回飲んでもらい、1回の嚥下毎に湿性嗄声やむせがないことを確認する。
所用時間
10分程度
感度・特異度
感度:0.913
特異度:0.667
※感度はVFとの比較
何度も水分摂取を行うことから、感度が非常に高い数値となっており、高いエビデンスレベルに仕上がっています。
評価用紙・マニュアル
英語ですが「Canadian Stroke Network SCORE Evidence-Based Recommendations」に載ってあるのをそのまま引用しています。
実際に行ってみて
TOR-BSSTは多量の水分を使用し評価を行う為、明らかに嚥下障害が疑われる患者には、MWST(改定水飲み検査)などの3大スクリーニング検査を行うことが最適だと思います。
また5ccの水であっても10回も嚥下する必要があるため、途中で強く拒否を認める高齢者は少なくありません。
現在は嚥下障害を患っていませんが今後嚥下障害になりそうな人の検出にも優れているかもしれませんね(TOR-BSSTは脳卒中患者が対象ですが、、、)。